鳥碑

- 資料番号
- 10
- 作者
- 松尾敏男
- 年代
- 1968(昭和43)年
- 大分類
- 収蔵品
「何度か訪れた北海道の風物で特に心ひかれた場所は野付半島のとど原であった。湿地帯に立ち枯れた広い木々の群れを描きたいと思ったとき、鳥の生から死へのモニュメントという考えがまとまった。鳥が好きで動物園にもしばしば通っていたので、鷲を中心に構成をしたものである。ハゲコウという鳥は、その後日本の動物園では見られなくなったと聞いているが、幸い上野動物園で飼われていた最期のハゲコウのスケッチが写生帳の中に残っていた。おどけたように見える顔に哀しさをたたえた感じが大変好きな鳥であった。画面の中、一番右のなかほどの太いくちばしで身づくろいをしている鳥である。日本美術院賞・大観賞を受けた。」『松尾敏男画集』(昭和62年刊)より