鷹の図

資料番号
16
作者
白浜徴
年代
1900(明治33)年
大分類
収蔵品
白浜徴は、東京美術学校にて日本画と教員養成課程を修了しているが、卒業後は美術教育者の育成に努めたため、自身の作品についてはあまり知られていない。本作品のほか、母校であり勤務先でもあった東京芸術大学美術館蔵の2件、そして郷里である五島市の有形文化財に指定されている《犬の絵》(五島観光歴史資料館)が知られるのみである。
本作品は、鷹が軍鶏らしき鳥を押さえつけ、まさに止めの一撃を加えようとする緊迫の一瞬を描いたもの。羽根の一枚一枚そして軍鶏の顔面に食い込んだ鷹の爪等の細部にいたるまでを均質な細線で緻密に描き出しているため、衝撃的な場面であるにもかかわらず、まるで標本図を思わせる理知的な作品となっている。白浜の研究者そして教育者としての資質をうかがわせる作品である。


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